May 20, 2012

無くて七趣味、あって四十八趣味

昨日は、萬年筆研究会【WAGNER】第17回関西地区大会。しかし当方は、ムスメ関連の所要のため欠席。関西大会はいつも盛り上がり、さぞ楽しかったであろうと想像している。aurora_88さんのブログの報告を待ちたい。

さて、元来自分は無趣味で、退屈な人間あると思っていたのだが、最近人からは「いろいろと趣味があって楽しそうですね」などといわれる。「無くて七癖」などといわれるが、考えれば無趣味と思えても「無くて七趣味」なのかも知れない。

趣味というような高尚なものではなく、単に好きなものとして、万年筆、美味い物食べ歩き、落語、将棋、音楽、映画、そしてカメラがあげられる。萬年筆研究会【WAGNER】に参加されている方々を見ると、多くの方々が万年筆以外の趣味をお持ちで、カメラ、オーディオ、時計、車といったところに集約さえると思う。

当方、このブログ用に万年筆などの写真を撮っていたリコーGRD(初代)が、シャッターの具合がおかしく、いよいよ天寿を全うするのではないかという状況となってきた。このカメラ、初期不良や、基盤の問題などを抱えており、三回ほどリコーの修理センターで直してもらった。今回は、長期の通常使用による問題のため、修理となると部品交換など、結構な料金を取られそうだ。

そこで、新しいカメラの購入を考え出した。一眼レフに関しては、これも随分前に買ったニコンD70sがある。このカメラはまだ十分に使えるので、今回はGRD同様、楽に持ち回れるカメラがよいと考えている。GRDIVなども考えたが、最近流行で、僕の周囲でも多くの人が購入し始めたミラーレスなど、軽いカメラに非常に魅力を感じている。

早速カタログを取り寄せて、見ているが、この時間が一番楽しいのかも知れない。カタログだけである程度の「満腹感」を感じるのは、万年筆にない楽しみ方だ。

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May 19, 2012

万年筆と経年変化

今週我が家では、屋根の改修を行っている。築30年弱の家を購入してから、はや8年。前のオーナーは新築でこの家を購入したせいか、ほとんど手を入れていない。当方は、いろいろと不具合を直しながら、なんとかこの茅屋に住み続けている。

幸いにも、正直で腕の良い大工さんを隣人から紹介いただき、いろいろと意見を聞きながらメンテナンスを行っている。今回、いよいよどうしようもなくなった屋根を、全面的に葺き替えることとなった。我が家は安普請で、瓦屋根やスレート葺きではなくトタン屋根である。

軽くて地震対策にはよいと思っているのだが、日光などのよって塗膜の剥離や、トタンそのものの劣化など経年変化する。今回塗装し直すだけでは難しい状況となったので、葺き替えることとした。この作業も1週間近く続き、ようやく終了。下から見上げても中々わからないのだが、綺麗に屋根が張り替えられた。

さて、この経年変化の問題。萬年筆に関しても、軸痩せ、表面の色の変化(好ましい場合もあるかも知れない)等々、いろいろと耳にする。ヴィンテージ万年筆を所有しない大きな理由は、このような変化を防ぐ、あるいは遅らせるためのメンテナンスが面倒で、僕には出来ないからだ。

それ故に、僕の持っている万年筆は、現行品またはそれに近いものとなっている。ただ、これらの万年筆とて、見た目は経年変化をほとんど起こしていないようであっても、実際はどうなのであろうか。「万年筆の狭小建売住宅」(本ブログ2009年5月29日)と呼んでいる、長持風の収納ケースにペンを入れて保存しているが、果たしてそれで大丈夫なのであろうか。

水分(湿度)に強いはずの万年筆は、カメラのように防湿庫に入れて保存する必要はないかも知れないが、ミント状態ではなく、一度使った万年筆、水で洗って乾燥させて光の当たらない「万年筆の狭小建売住宅」に入れておくだけでよいのだろうか。屋根の葺き替えのように、経年変化で悪くなった軸やペン芯を交換することは、その万年筆の価値を大きく損ねてしまう。何とか現状維持が出来ないものか、今回の改修を見ていて考え込んでしまった。

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May 18, 2012

イリジウム合金について(その2)

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昨日のつづき。冒頭の表は、プラチナ・イリジウム合金の配合割合における硬度を示したもの。この表からわかることは、プラチナとイリジウムの配合が1対1になったとき、最も硬くなるということ。また生成方法によっても差異が出ることが示されている。

ただ、実際には、この論文中にもあるように「多元合金の成分元素の割合を如何になしたる場合に硬度が最も高く緊密なるものを得られるかは、各社の苦心研究する所であつて、その熱處理等も秘密とされて居る。」とあるように、この点は、並木萬年筆の企業秘密ゆえ、明かされていない。

この後、金ペン先の製造法が続くのであるが、これは先に紹介した「萬年筆の製造法」と同じ内容。ただ、最後に貴金属関連の雑誌に書かれただけあって、工場で出た打ち抜き屑などが出るため、分先回収の様子について書かれている。「金ペンの成形作業中に於て約80%のイリヂウム合金と約10%の14金を研下し、尚此外に打抜屑等も相當できる」と文章には記してある。

この論文によると、「金ペン工場に在つては、総ての屑、従業員の作業服、履き物は勿論、手洗水に至るまでこれを分析して居る状況」をここで記している。分析法は「総ての屑を焼却して灰となし、之に酸化鉛と別に溶剤として炭酸曹達、硝砂の如きものを加へて熱し、灰吹法にて鉛と銀とを置換し、次で、硝酸を用ひて銀を溶解し去り、金を王水にて溶解すれば、最後にイリジウム合金を得る」と書いている。

回収率は、金90%、イリジウム合金は80%。最高級万年筆が10円程度の当時の金額で「月額萬を以て數ふる程」とあるから、生産コストを下げるためにもこの回収は非常に重要なものであった事がわかる。ただ、今後の課題として、回収率の向上とともに、「イリヂウム合金に就ても研究して、成可く研下しの率を小ならしめる必要」を提起している。

イリジウム合金に就いて数字的に示すと、「正味金ペンの先端に鎔着せらるゝもの20%、分析により囘収せらるゝもの64%、囘収し得ざる損失16%」とあり、この課題も納得できる。

萬年筆という貴金属を多く使う製品ならではの、論文であった。ただ僕の疑問は、何故本論文が「ニッケル」の専門雑誌に掲載されたのであろうか。何かニッケル鋼業でも同じ問題を抱えていたのかどうか、僕には不明である。

さて、このアーカイブスシリーズ。戦前に関しては、ひとまず終了。次の連載は、戦後、特に1955年くらいまでの記事についての紹介を予定しております。すでに、コピーは手許にあり、通読しましたが、非常に興味深いものが多くあります。乞う御期待。

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May 17, 2012

イリジウム合金について(その1)

58今回紹介する論文は、先に紹介した論文「萬年筆の製造法」と同じ著者、本間光長氏による『日本ニッケル時報』1936年1月号に掲載された論文、「万年筆ペン先用貴金属」である。今回は、「株式會社並木製作所技師」の肩書きで登場する。ちなみに『日本ニッケル時報』は日本ニッケル時報局が出版、1巻1号〜9巻2号(昭8.4〜16.4)まで国会図書館に所蔵されている。

本間氏は『萬年筆と科学』の著者渡辺旭氏と同様、本間氏も対外的にそれもたて続けに文章を公表されている。これは、当時の並木製作所の方針であったのであろうか。会社の支援無くして、個人的にこのようなことは出来ないと考える。それ故、肩書きには必ず会社名が入り、また業務上の重要で、秘密とも思える情報まで記されている。

この論文では、先に紹介した14金の配合表が再度掲載され(本ブログでも紹介、2012年5月13日)、ペン先の素材について、そして、イリドスミン(北海道)、オスミリヂウム(タスマニア)、プラチナイリジウム(ウラル)についての分析表も、先の論文からリサイクルされている。先日のエントリーでは、イリドスミンについての記述は割愛したので、今回はこの分析表を以下に掲載しておきたい。
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この表を見る限り、日本のイリドスミンはイリジウムの含有率が非常に高いことがわかる。日本のイリジウム合金が世界で一番万年筆に適しているとは従来よく言われてきたことだ。そのことは、彌永芳子『北海道の砂金と砂白金』の一章「万年筆の誕生」にもそれは記されている。しかし、科学的に何故良いのか、具体的な数値として見たのは今回が初めてである。

日本で産出されるイリドスミンはイリジウムの含有率が高い。ただ、現在では技術が発達し、イリジウムを抽出し、イリジウム100%で作れば堅いペンポイントが出来るのではないか、素人考えをしてみた。しかし、話はそれほど単純ではない。(つづく)

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May 16, 2012

萬年筆研究会【WAGNER】第8回北海道地区札幌大会 (その3)

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日下さんに到着して、真っ先に購入したのは、これ。SUICAケースとミンティアケース。SUICAケースの方は、色違いを含めてこれで3つめの購入となる。クロのケースにはSUICA。ミンティアケースと同じ青のケースには、ICOCAとEX予約カード(新幹線)。そして、このケースには、Foolsbook氏が日本最強といい、数年後には全国制覇するのではないかと常々仰っているMANACAお入れておくつもり。

通勤にはPASMO定期を定期券入れで携帯している。これらのケースは、東京以外の目的地に応じて用いることとしたい。今までは、カードを入れ替えて使っていたが、これからは、このケースを2つ持ち出すことで、ほぼWAGNER定例会開催地では間に合うこととなった。

ミンティアケースもSUICAケースも、色のセレクションも豊富なため、札幌のお店を直に訪ねて購入したいと思っていた。今回それが実現し、満足。そしていろいろと日下さんから、新作鞄の御説明をいただき、眼福の一時を過ごさせていただいた。その後、店を後にし、徒歩で、会場に戻った。

外をフラフラとほっつき歩いて、遊んでいたので、会場に帰ってからはお手伝いをしなければと思い、受付をする。しばらくして、会場をドアから覗いておられる方がいた。こちらからお声をかけ、受付まで来ていただく。やはり初参加であると、敷居は高そうに思えるのは、自分の初参加の時を思い出しても、理解できる。

そこで、登録をしていただいた後は、「静か」といわれる札幌大会ではあるが、僕がうるさいくらいの声で、いろいろと駄馬無しをしながら、会場をご案内した。2本の万年筆を市長に調整してもらい、又何本もの万年筆を試筆され、1時間後には、いろいろの方とお話になって、楽しんでおられたように見えた。

そうこうするうち、会もお開き。初参加の方も多く2次会に参加され、一日万年筆を楽しまれたようであった。当方も、後泊するため、皆さんとお話が出来、楽しく過ごさせていただいた。次回は10月、再び参加できればと願っている。地元の皆さん、有り難うございました。

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